夢のようなプラスチックの開発を広島大 大学院総合科学研究科の彦坂正道特任教授と研究員チームが2010年4月19日に、重量当たりの比強度が鉄鋼の2~5倍あり、水に浮かぶほどとっても軽く、リサイクルが可能なシート状の超高性能汎用高分子材料(汎用プラスチック)「超高性能プラスチック」を製造する技術を開発した。
2011年までに、自動車鋼板、ガラス、建築材としてなど、多様な用途に応用できる、夢のプラスチックに向けて製品化することを目標に進めている。
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この超高性能プラスチックの素材はというと、現在どこにでも見られる?安価なポリプロピレンを使用。
そして、通常の汎用プラスチックのように安価で成形しやすいのも特徴の一つ。
それを高速で圧縮することで、引張強度をこれまでの7倍以上230MPa(メガパスカル)、通常の耐熱性よりも50℃以上高い170℃程度にすることに成功。
超高性能プラスチックは、まるでセロハンテープのように、無色透明で軽くて柔らかいので、こんなものが本当に鉄鋼よりも強度があるの?と疑いたくなってしう。
また、彦坂特任教授と研究チームは、超高性能プラスチックを開発することで、世界で初めて、液状にしたプラスチックを一定の速度で押しつぶすと、内部で結晶化が急速に進む「ナノ配向結晶体(NOC)」という仕組みを発見することができた。
今後は、科学技術振興機構の支援によって、2009年9月に広島県福山市にある食品包装製造会社エフピコと東京都にあるサンアロマーとの共同研究をすることで、工業生産に一定のめどがついた。
国内はもちろん、海外に向けて広く普及することで、低コスト、省エネルギー、省資源、低炭素の理想系、持続型社会づくりが期待できる。
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