気候変動問題とは？現状と影響、原因と対策を考える

気候変動問題について

気候変動問題は、地球の気候が長期的に変化する現象で、人間活動による温室効果ガスの排出が主な原因とされています。

気候変動問題は、あなたの実生活から考え行動へ移し、未来へ繋げる必要があります。

目次 気候変動問題とは何か？ 気候変動問題の概要 なぜ気候変動問題が問題となるのか 気候変動問題の原因 温室効果ガスの種類と排出源 人間活動による温室効果ガスの排出量の増加 気候変動問題の影響 極地や高山地帯の氷河や氷帽の融解と海面上昇 自然災害の頻発 生態系の変化 社会・経済への影響 気候変動問題の対策 温室効果ガスの排出削減 気候変動への適応 代替エネルギーの利用 森林保護 個人の取り組み 国際社会の動向 国際的な取り組みの概要 温室効果ガスの排出削減目標の設定 まとめ

■気候変動問題とは何か

気候変動問題の概要

現在、世界中で話題になっている「気候変動問題」は、自然の力によって地球の気候が変化し、様々な問題が生じることを指します。
この問題は、人間活動によって発生する温室効果ガスの排出が主な原因とされており、その影響は地球上の生態系や社会・経済に及びます。
実際に人間活動が原因というのは、さまざまな研究やデータから見ると、疑う必要があるのも事実です。

なぜ気候変動問題が問題となるのか

地球の気候は、長期的に変化することがありますが、現在の気候変動問題は、そのスピードや規模が人間活動によって引き起こされたものであるため、問題とされています。
ただし、太古の昔からの長い時間の範囲で考えると、超温暖化になっていくことや、超寒冷化になっていくことは、サイクル、循環の一部と考えたほうが正しいのではないか、といった意見も多数あります。

なにが問題なのかというと、温室効果ガスと呼ばれる二酸化炭素やメタンなどが、大気中に蓄積されることで、地球の表面から放出される熱が逃げにくくなり、地球の温度が上昇することが問題です。
この温度上昇が生態系や社会・経済に及ぼす影響は、深刻なものとなっています。

例えば、気温の上昇によって、氷河や氷帽が融解し、海面が上昇するため、洪水や浸水などの自然災害が頻発するようになり、人命や財産に損害を与えることがあります。
これにより、子供からお年寄り、働き手まで失っては、町全体、しいては国全体に影響を及ぼしているからです。

また、気温の上昇によって、農作物の収穫量が減少するため、食料の供給が不安定になる恐れがあります。
農作物は温度が高すぎても、低すぎても収穫量に影響するため、以前のような穏やかな気候に戻らない限り、今後は食糧危機に近づく可能性を否定できません。

このように、気候変動問題は、地球上のあらゆる生態系や社会・経済に影響を及ぼす問題であり、今後の取り組みが求められます。

■気候変動問題の原因

気候変動問題の主な原因は、温室効果ガスの排出、もしくは太陽活動の影響です。
温室効果ガスとは、大気中に存在するガスのうち、太陽光を透過するが、地球から放射される赤外線を吸収して大気中に熱を蓄え、地球温暖化を引き起こすガスのことです。

太陽活動は、太陽の黒点をもとに、太陽エネルギーそのものの力が強くなったり弱くなったりしています。
様々なデータから、強くなると温暖化に近づき、弱くなると寒冷化に近づくことが分かってきています。

◆温室効果ガスの種類と排出源

主な温室効果ガスは、二酸化炭素、メタン、フロンガス、窒素酸化物などがあります。
これらのガスは、自然界にも存在するものですが、人間活動によって増加しています。

二酸化炭素は、化石燃料の燃焼や森林伐採によって排出されます。
車に使うガソリンや、日本では冬になると石油ストーブで灯油を大量に消費しています。
メタンは、家畜の放屁や堆肥、ごみの埋め立て場の発酵などから排出されます。
世界中で牛や豚など、大型動物の飼育が多くなると増えます。
フロンガスは、冷凍機器や空調機器、断熱材などから排出されます。
フロンガスを使用しない、新たなエネルギーを利用することが求められます。
窒素酸化物は、自動車や工場などの排気ガスから排出されます。
人間を含めた動物が多量に吸い込むと、人体への悪影響も懸念されています。

◆人間活動による温室効果ガスの排出量の増加

近年、温室効果ガスの排出量が急増しています。
これは、人間活動が増えたことが原因です。
工業化や都市化に伴って、化石燃料の使用が増え、交通量が増加したことで、二酸化炭素の排出量が増えています。
現在進行形で、世界中の都市で工業化、都市化が加速しています。
日本でも一昔前までは、田畑があった場所や山林でさえも、開発が進み都市化しています。

また、食生活の変化によって、家畜の飼育頭数が増えたことや、ごみの増加なども原因となって、メタンやフロンガスの排出量が増加しています。
このことは、大量消費を考える機会を与えてくれているので、日本人の「もったいない精神」を活かしていくことが大切です。

これらの要因によって、地球温暖化が進み、気候変動問題が発生していると考えられています。

■気候変動問題の影響

気候変動問題は、私たちの暮らしや社会経済に深刻な影響を与えています。
主な影響を以下に紹介します。

◆極地や高山地帯の氷河や氷帽の融解と海面上昇

温暖化によって、極地や高山地帯の氷河や氷帽が融解しています。
その結果、海面が上昇していることが問題となっています。
海面上昇によって、海岸部の浸水被害や沿岸地域での洪水被害が増え、大規模な自然災害が発生する可能性があります。

また、海面上昇によって、水田や干拓地、都市部などにおける塩水の浸入が進み、農業や都市機能の破壊が懸念されています。
このことで、作物はおろか、経済的にも大打撃を受けることが大問題になっています。

◆自然災害の頻発

気候変動問題によって、自然災害の頻発や被害の拡大が懸念されています。
気象条件が激しくなることで、台風やハリケーンなどの自然災害がより強力になり、豪雨や洪水、地震なども起こりやすくなっています。
日本でも台風は年々、巨大化が問題になっており、いつ自分が住んでいる地域が大打撃を受けるかが懸念されます。
特に梅雨時期には雨の量も昔と比べて大量に降り注ぎ、山崩れや河川の水の増加により、被害も増えています。

これらの自然災害の被害は、住宅やインフラなどの建物を破壊し、大勢の人々の命を奪う可能性があります。
また、災害後の復旧・復興には、多大な費用と時間が必要となり、社会経済に深刻な影響を与えることがあります。

自身大国である日本では地震や、それに伴う洪水などで、大きな被害にあったことは、最近のことです。

◆生態系の変化

気候変動によって、生態系が大きく変化しています。
例えば、気温や降水量の変化によって、植物の生育や動物の生息地が変化することがあります。
また、海洋の酸性化によって、海洋生物の生息環境が変化し、生物多様性が脅かされることがあります。
山林でも同じことが言えます。

生物多様性の低下は、生態系のバランスを崩し、生産性の低下や農業・漁業などの経済活動にも影響を与えます。
このことは、農業や漁業で生活を営んでいる人たちに多大な影響があるので、それらを食しているわたしたちの生活も脅かされることにもつながります。

また、生態系が変化することで、新たな病気や害虫の発生が増えることがあり、人々の健康にも影響を与える可能性があります。

一度絶滅してしまった、昆虫や小動物が今後増えることになると、もしかしたら人間が生活できない状態もなる可能性を秘めています。

◆社会・経済への影響

気候変動によって、社会・経済にも深刻な影響が出ています。
例えば、気候変動が原因で起こる自然災害によって、建物やインフラが被害を受け、人々の生活や経済活動に悪影響を与えます。
建物が倒壊してしまえば、住むところさえ失い、そこで働いていた人たちにも関係してきます。
さらなる時間やお金がかかることが問題です。

また、温暖化によって、農業生産が減少し、食糧不足が起こることがあります。
さらに、気温上昇によって、エネルギー需要が増加し、エネルギー価格が上昇することがあります。
これによって、企業の経営に悪影響を与え、雇用や経済成長にも悪影響を与える可能性があります。

以上のように、気候変動問題は、私たちの暮らしや社会経済に大きな影響を与えていることがわかります。
これらの影響を軽減するためには、私たちのライフスタイルや社会システムを見直し、温暖化防止に向けた取り組みが必要です。

■気候変動問題の対策

気候変動問題は、人類全体で取り組まなければ解決できない課題です。
以下では、気候変動問題に対する対策について解説します。

◆温室効果ガスの排出削減

温室効果ガスの排出削減は、気候変動問題に取り組む上で最も重要な課題の1つです。
具体的な対策としては、以下のようなものが挙げられます。

・再生可能エネルギーの導入

風力や太陽光、地熱やバイオマスなどの再生可能エネルギーの導入が、化石燃料によるエネルギーの使用を減らし、温室効果ガスの排出を削減することにつながります。
日本列島周辺にも、新しいエネルギーとなるものがあるので、今後利用されることを願います。

・省エネルギーの推進

エネルギーを効率的に使用することで、温室効果ガスの排出を削減できます。
具体的な例としては、省エネルギーの家電製品の普及や、建築物の断熱化などがあります。

例えば日中にお部屋に太陽光があたる場所があれば、ソーラー発電の照明器具などを夜間使用できれば、かなり省エネルギーになります。

もちろん、省エネタイプの製品を使用するのは、ぜんぜん問題ありません。
日本では特に、断熱材を普及させるのはもっと重要なことです。

なぜなら、近頃は一昔に比べて、夏は暑すぎるし、冬は寒すぎるようになってきています。
家に断熱材がちゃんと施工できていないと、夏はエアコンの温度をすごく下げないと涼しくできないし、冬はエアコンだけではなく、石油ファンヒーターも部屋の数だけ追加で必要だったりと、省エネとは程遠くなってしまうのが現状です。

断熱処理がうまくできた家ほど、省エネルギーで生活できるようになるのは確実です。
また、断熱材にも種類がたくさんありますが、用途に合わせて使うことが大切です。
断熱材と同じくらい大事なのが、家の隙間をなるべく無くすようにすることも大切です。
部屋の換気をすると、コンセントの隙間などから隙間風が入り込んでくることは有名です。

・交通手段の改善

公共交通機関の整備や、自転車や歩行者を優先する道路の整備などによって、車の利用を減らし、温室効果ガスの排出を削減することができます。

欧米などは、車以外の優先道路整備が進んでいますが、日本では都会は進んでいても、地方ではまだまだできていないのが現状です。

どこでも利用できるレンタサイクルという、自転車を有料で貸し出す事業の普及も、交通手段の改善に役立ちます。

・カーボン・プライシングの導入

温室効果ガスの排出に対して課金することで、排出量を削減することができます。
具体的には、二酸化炭素排出権取引や、カーボン税の導入などがあります。

これらの対策は、温室効果ガスの排出削減に効果があるとされています。
また、個人や企業など、様々なステークホルダーが参加して取り組むことが重要です。
ステークホルダーとは、企業が経営をするうえで、直接的または間接的に影響を受ける利害関係者のことです。

◆気候変動への適応

気候変動が進む中で、さまざまな影響が出てきます。
これらに対する適応策も重要な課題の1つです。

具体的な適応策としては、以下のようなものが挙げられます。

・エネルギーの効率化と再生可能エネルギーの導入

温室効果ガスの排出量を削減するためには、化石燃料に代わるエネルギー源の開発が必要です。
そのためには、エネルギーの効率化と再生可能エネルギーの導入が重要です。

例えば、太陽光や風力、水力や地熱などの自然エネルギーを利用することで、化石燃料による二酸化炭素の排出を大幅に削減することができます。
日本でも、ほぼすべての再生可能エネルギーを自然エネルギーからまかなえます。

また、エネルギーの効率化により、同じ量のエネルギーを使ってより多くの仕事を行うことができ、結果的に二酸化炭素の排出量を削減することができます。

・持続可能な都市化

都市は、人口密度が高く、エネルギーや資源の使用量が多いため、温室効果ガスの排出量が多くなりがちです。
そのため、都市化の進展に伴って、より持続可能な都市化を目指すことが必要です。
都会に行くと空気が汚れているから薄いと言い、田舎に行くと空気が綺麗だから澄んでいると言うとわかりやすいです。
具体的には、公共交通機関の整備や自転車の普及、建物のエネルギー効率化、廃棄物のリサイクルなどが挙げられます。
近い未来に”排気ゼロ”の乗り物が登場すれば、それだけでもクリーンな世界が待っています。

・森林の保全と再生

森林は、二酸化炭素を吸収することができるため、温室効果ガスの排出削減に有効です。
そのため、森林の保全と再生が重要な対策の一つです。
具体的には、森林伐採の抑制や植林などが挙げられます。

植林などは、以前よりももっと、学校や企業なども参加できるようになれば、森林に対しての意識向上になるし、森林の保全と再生への貢献も期待できます。

・個人や企業の行動変容

気候変動問題を解決するためには、個人や企業の行動変容が必要です。
例えば、省エネ行動の推進、食品ロスの削減、再利用可能な製品の使用、温室効果ガス排出量の抑制を目的とした取り組みなどが挙げられます。
特に食品ロスなどは、コンビニエンスストアやファーストフード、ホテルや飲食店などから出る大量の廃棄される食べ物が問題です。

・国際的な枠組み

気候変動問題は、国際的な問題であるため、国際的な枠組みによる対策が必要です
また、個人レベルでも気候変動問題に取り組むことができます。
例えば、省エネや節水など、ライフスタイルの改善をすることで、温室効果ガスの排出量を削減することができます。
これらは一気に変えることをしなくても、一つづつできることから取り入れ、今の生活に無理なく取り組むことが大切です。

また、自家用車の利用を控え、公共交通機関や自転車を利用することも、温室効果ガスの排出削減につながります。

あと、知り合いや友人なら、何台も車を使わず、最小限の台数で乗り合いすることをしましょう。

さらに、気候変動問題に対する取り組みとして、再生可能エネルギーの利用が注目されています。
再生可能エネルギーは、太陽光や風力など、地球上に存在する自然エネルギーを利用して発電するもので、温室効果ガスの排出が少ないため、地球温暖化の原因となる温室効果ガスの削減につながります。

政府や企業による再生可能エネルギーの利用の推進に加え、個人レベルでも自宅に太陽光発電装置を設置することで再生可能エネルギーの利用に貢献することができます。

例えば、駐車場の屋根を利用した太陽光発電所「ソーラーカーポート」がおすすめです。

最近では、世界各国が気候変動問題に取り組むための国際的な枠組みとして、パリ協定が採択されました。
この協定では、地球温暖化を2℃以下に抑え、できる限り1.5℃以下に抑えることを目指し、各国が温室効果ガスの排出削減目標を設定することが求められています。
また、2030年までに各国が目標達成のために具体的な取り組みを進めることも求められています。

気候変動問題は、地球規模の問題であり、私たち一人ひとりが気候変動問題に対する認識を深め、取り組みを進めることが求められていますので、何が自分にできるのかを知り、実践していくことが大切です。

◆代替エネルギーの利用

１．温室効果ガスの排出削減
２．代替エネルギーの利用
３．持続可能な都市開発
４．持続可能な農業と食事
５．森林の保全と再生
６．国際的な協力
７．代替エネルギーの利用

温室効果ガスの排出削減には、代替エネルギーの利用が有効です。
代替エネルギーとは、化石燃料以外の再生可能エネルギーのことです。
主な代替エネルギーとしては、太陽光、風力、水力、地熱、バイオマス、海洋エネルギーなどが挙げられます。

太陽光発電は、太陽光を利用して電力を生成する方法である。
太陽光発電は、再生可能なエネルギー源であり、温室効果ガスの排出を削減することができる。
また、太陽光発電は、屋根や壁面に設置することができ、自宅や企業の電力需要をまかなうことができる。
大型駐車場や自宅の駐車場を、ソーラーカーポートにすると、もっと効率的にできます。

風力発電は、風力を利用して発電する方法である。
風力発電は、再生可能なエネルギー源であり、温室効果ガスの排出を削減することができる。
また、風力発電は、風が強い地域に設置することができるため、世界中で利用されている。
海の上に浮かべるタイプの「浮体式洋上風力発電」が注目されています。

水力発電は、水力を利用して発電する方法である。
水力発電は、再生可能なエネルギー源であり、温室効果ガスの排出を削減することができる。
また、水力発電は、ダムや河川に設置することができ、地域の電力需要をまかなうことができる。
上から下へと流れる水を利用できるので、山がある地域で大活躍してくれる発電方法です。

地熱発電は、地熱を利用して発電する方法である。
地熱発電は、再生可能なエネルギー源であり、温室効果ガスの排出を削減することができる。
また、地熱発電は、地熱が豊富な地域に限定されますが、日本は温泉大国なので、もっと活躍できると思われます。

◆森林保護

森林保護は、気候変動問題の対策の一つとして重要な役割を果たしています。
森林は大気中の二酸化炭素を吸収し、酸素を放出するため、二酸化炭素の排出削減に貢献するとともに、森林を保護することで、森林伐採による二酸化炭素の放出を抑えることができます。

森林保護には、森林の保全や再生を行うことが含まれます。
具体的には、以下のような取り組みが挙げられます。

まず、森林の破壊を防止することが重要です。
森林伐採は、大量の二酸化炭素を放出するだけでなく、生態系を破壊することにつながります。
そのため、適切な森林管理を行うことで、森林の破壊を防止し、森林の豊かな生態系を維持することが必要です。
管理をする代表的な組織に、各地域に森林組合があります。
山の所有者は森林組合に加入することで、有料ですが森林管理をしてくれます。
自分が主有している森林がある場合、最低半年に一回は管理することをおすすめします。
そうすることで、森の再生にもつながります。

また、植林や森林再生によって、二酸化炭素の吸収量を増やすことができます。
植林は、新たな森林を作り出すことで、二酸化炭素の吸収量を増やすことができます。
森林再生は、適切な管理を行いながら、破壊された森林を回復させることで、生態系を回復させることができます。
日本は杉が多すぎるため、花粉症問題というものもありますが、杉伐採時には、広葉樹を植林して森の再生に取り組むことも森林保護には大切です。

さらに、森林の持続的利用によって、地域の経済を支援することもできます。
持続的な森林利用は、地域の雇用を創出し、地域の経済発展に貢献することができます。

森林保護には、国際的な枠組みも存在しています。
たとえば、森林破壊による温室効果ガスの排出を抑制するために、国際的な取り組みである「レッド（Reducing Emissions from Deforestation and Forest Degradation）」があります。
REDD+ は、UNFCCC 締約国会議 (COP) によって作成されたフレームワークであり、開発途上国における森林の持続可能な管理と森林炭素貯蔵の保全と強化だけでなく、森林減少と森林劣化からの排出量を削減する活動を導くものです。
この取り組みでは、森林破壊を抑制することによって、温室効果ガスの排出削減を目指しています。

森林保護は、森林破壊が進む現代において、地球温暖化の原因である温室効果ガスの吸収という重要な役割を果たすことが期待されています。
地球では、森林が酸素を作ってくれるおかけで、生命の営みが育まれています。
また、森林は多様な生物種を生み出し、生物多様性を保全するためにも重要な役割を担っています。
森林保護により、微生物から大型動物までのあらゆる生き物が生存できています。

森林保護の方法としては、まず森林伐採の規制が必要です。
森林伐採が行われると、森林に吸収された二酸化炭素が大気中に放出されてしまうため、地球温暖化の原因になります。
そのため、適切な管理のもとで森林伐採を行うことが重要です。
また、伐採跡地の再生や植林などの取り組みも必要です。
山を所有している場合、その山に建物などを建築しないのであれば、森林組合を通して好きな樹木を植林できるので、果樹園なんかも可能です。

さらに、森林保全のためには、国際的な取り組みも必要です。
森林破壊は国境を超えた問題であり、国際的な協力が必要です。
国連が主導する国際的な林業フォーラムなどの会議では、森林保全のための方策が議論されています。
また、熱帯林の保全には、国際的な開発資金や技術支援が必要です。

森林保護は、地球温暖化を防止する上で非常に重要な役割を果たしています。
森林保全には、伐採の規制や再生、植林などの取り組みが必要であり、国際的な協力も重要です。
日本でも各県でイベントなどが開催されていますので、緑林に興味があれば調べることをおすすめします。

◆個人の取り組み

個人の取り組みには、以下のようなものがあります。

１．エコライフスタイルの実践

エコライフスタイルとは、地球環境に配慮した生活スタイルのことです。
自動車をできるだけ使わない、電気や水道の節約、リサイクルの徹底、エコバッグやマイボトルの使用などがその一例です。
エコバッグでも素材にこだわれば、籐カゴなどは自然界に戻るのでおすすめです。
ファーストフード店でもマイボトルを持参できたりと、いろんな動きが見られ始めています。
自分の生活スタイルを見直し、できるだけ環境に負荷をかけないように心がけましょう。
その環境意識が広がれば、少しずつでも地球環境の改善に貢献できます。

２．食生活の見直し

食生活の中で、畜産業や農業が排出する温室効果ガスの量は大きく、その割合は全体の約30％とされています。
大規模な事業になるとさらなる量が増えるとされています。
そのため、自分の食生活を見直し、肉や乳製品、加工食品などの摂取量を減らすことが、気候変動に対する個人の取り組みとして大切です。
そのひとつに、野菜や穀物、魚からたんぱく質を摂取することをおすすめします。
具体的には、穀物なら国産大豆や魚なら国産シャケがとても良いです。

３．温暖化ガスの排出量削減

温暖化ガスの排出を減らすために、できるだけ公共交通機関を利用する、省エネ家電を使用する、蛍光灯からLED電球に変えるだけでも違うし、窓に断熱材貼ったり、冷暖房の温度設定を見直すなどの取り組みが挙げられます。
ですので家庭のエネルギー消費を減らすことができれば、温暖化ガスの排出量を大幅に削減することができます。
こにおように、家でできることだけでも、もっとあるはずです。

４．知識の向上

気候変動問題についての正しい知識を持つことが、個人の取り組みにつながります。
自分自身で情報収集をすること、学校や図書館、インターネットなどを利用して、気候変動問題について正しい知識を身につけましょう。
また、その知識を周りの人たちにも伝えることで、より多くの人に気候変動問題についての正しい理解を広げることができます。
このサイトの記事を、もっと周りの人たちにも教えてあげることもおすすめします。

■国際社会の動向

◆国際的な取り組みの概要

気候変動問題は、国際的な問題であり、世界中の国々が協力して取り組む必要があります。
国際社会における気候変動問題への取り組みには、以下のような動きがあります。

１．国連気候変動枠組条約（UNFCCC）
1992年に採択された国連気候変動枠組条約は、気候変動問題に対する国際的な枠組みを定めたものです。
現在、197カ国・地域が加盟しており、地球温暖化防止のための温室効果ガスの削減目標の設定や、技術移転や資金援助などの支援策の実施などが進められています。

２．パリ協定
2015年に採択されたパリ協定は、2020年以降の温室効果ガスの排出量の削減目標や、途上国への支援策などを定めたものです。
現在、190カ国・地域が批准しており、世界各国が共同で取り組むことが求められています。

３．Ｇ20 環境・気候大臣会合
G20は、世界経済の80％を占める国々で構成されるグループです。
その中で、気候変動問題への取り組みが話し合われる気候・エネルギー・環境大臣会合が毎年開催されています。
2021年の会合では、再生可能エネルギーの利用促進や石炭火力発電所の早期廃止などが取り上げられました。
2022年８月31日の会合では、、インドネシアのバリ島で、Ｇ20環境・気候大臣会合が開催されました。
そして今回の会合でインドネシアが議長を務め、議論を行いました。
日本国からは、西村環境大臣、長峯経済産業大臣政務官等が出席されました。

４．気候変動会議（COP）
国連気候変動枠組条約の下部組織として、気候変動に関する国際的な協議が行われるCOP（Conference of the Parties）が開催されています。
COP23は2017年に開催され、再生可能エネルギーの普及や、気候変動による被災者支援などが話し合われました。

国際社会において、気候変動問題への取り組みは進んでいますが、まだまだ課題が残っています。
国際的な取り組みの中でも、特に注目されているのはパリ協定です。
パリ協定は、2015年に採択された国際的な気候変動枠組み協定で、2020年に発効しました。
パリ協定では、世界の平均気温上昇を2℃以下に抑え、可能な限り1.5℃以下に抑えることを目指し、各国が自主的に温室効果ガスの削減目標（NDCs）を設定することが求められています。
また、2030年までに1000億ドルの資金を調達し、途上国による温室効果ガスの削減支援や、気候変動に対する適応策の実施支援を行うことが盛り込まれています。

パリ協定は、世界各国が共通の目標に向けて取り組むことで、気候変動問題に対する国際的な取り組みを推進しています。
しかし、協定においては各国が自主的に目標を設定するため、目標が強制力を持つわけではありません。
そのため、各国が目標を達成するための具体的な施策を講じることが重要となっています。

最近では、パリ協定における目標達成をより具体的かつ迅速に進めるため、より高い目標を掲げる国々が出てきています。
例えば、欧州連合は2050年までに二酸化炭素排出ゼロを目指し、英国は2045年までに同様の目標を掲げています。
また、アメリカもバイデン政権下で再びパリ協定に復帰し、2050年までに二酸化炭素排出量を実質ゼロにすることを目指すことを表明しています。

国際的な取り組みによって、気候変動問題に対する意識が高まり、対策が進展している一方で、まだまだ課題が残されています。
各国が目標を達成するための具体的な施策を講じることや、市民の意識の向上による個人レベルでの取り組みなど、多面的な取り組みが必要です。

また、2015年にはパリ協定が採択されました。
この協定は、温室効果ガスの排出削減目標を設定するとともに、各国が自主的に貢献目標（Nationally Determined Contributions; NDCs）を示すことを求めるものです。
この協定によって、世界的な温暖化を1.5℃に抑えるための枠組みが確立されたとされています。

しかし、パリ協定の貢献目標は、現状では2℃以内に抑えることを目指しているものの、実際には1.5℃に抑えることが必要であるという指摘もあります。
また、各国の貢献目標は自主的なものであり、実際に目標に向けた具体的な取り組みが進んでいるとは言い難い状況があります。

さらに、温室効果ガスの排出が多い先進国と、それ以外の途上国との間には、排出削減の責任や負担分担などについての対立があることも事実です。
これらの問題を解決するためには、国際的な協調が必要であり、世界中の人々が気候変動問題に対する認識を高め、具体的な取り組みを行うことが求められています。

◆温室効果ガスの排出削減目標の設定

温室効果ガスの排出削減に向けた国際的な取り組みにおいては、地球温暖化の原因である温室効果ガスの排出量削減目標の設定が重要なポイントとなっています。

1992年に採択された国連気候変動枠組条約（UNFCCC）では、先進国が2020年までに1990年の排出量を25-40%削減するという目標を掲げています。
しかし、この目標は非拘束的なものであり、実現に向けた具体的な取り組みが十分ではありませんでした。

2015年に採択されたパリ協定では、全ての加盟国が温室効果ガスの排出量削減目標を設定することが求められました。
具体的には、地球平均気温の上昇を2℃以下に抑え、可能な限り1.5℃以下に抑えるための温室効果ガスの排出量削減目標が設定されました。

各国は、自国に合わせた目標を設定し、国際社会に届け出ることになっています。
その後、5年ごとに目標を見直し、より野心的な目標を掲げることが求められます。

あくまでも目標が設定されて行動していますが、地域や各国の協力の下、結果が変わってくるのがわかります。
これらの国際的な取り組みによって、温室効果ガスの排出削減が促進され、地球温暖化を抑制することが期待されています。